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コーヒーのフレーバーホイールとは|読み方と使い方を初心者向けに解説

コーヒーのフレーバーホイールとは|読み方と使い方を初心者向けに解説|アイキャッチ

コーヒーを飲んで「フルーティな感じ」と思っても、それ以上どう言葉にしてよいか分からない。そんなときに役立つのが、風味を言葉にするための地図「フレーバーホイール」です。結論から言うと、フレーバーホイールは中心に置かれた大きな分類から外周の具体的な言葉へと少しずつ絞っていくと読めます。この記事では、フレーバーホイールの成り立ち、円の構造の読み方、米国スペシャルティコーヒー協会(SCA)が公開する使い方の8ステップ、そして初心者がつまずきやすい点までを、表で整理して解説します。なお、酸味・苦味・コクといった味の基礎から学びたい方は、先にコーヒーの味わいの基礎(テイスティング入門)に目を通しておくと、ホイールがぐっと使いやすくなります。

目次

コーヒーのフレーバーホイールとは?風味を言葉にする共通の地図

coffee aroma cupに関するイメージ写真
Photo by Mike Kenneally on Unsplash (Mike Kenneally)

フレーバーホイールとは、コーヒーの風味を表す言葉を円形に整理した「風味の地図」です。結論として、これは感じた風味を共通の言葉に翻訳するための道具だと考えると分かりやすいです。

このホイールは、米国スペシャルティコーヒー協会(SCA)が、ワールドコーヒーリサーチ(WCR)などと協力して整理したものとされています。原型は1995年に公開され、2016年に大きく改訂されたとされています[S1]。2016年版は、研究者が体系的にまとめた風味の用語集(センサリー・レキシコン)を土台にしている点が特徴です。

その土台となるWCRのセンサリー・レキシコンは、専門家がコーヒーの香りや味を評価するために整理した属性の一覧で、110項目ほどの風味属性を含むとされています[S2]。フレーバーホイールは、この膨大な用語を一枚の円として直感的に見渡せるようにした「可視化」だと捉えると、その役割がはっきりします。

フレーバーホイールの構造は?中心の大分類から外周の具体語へ

フレーバーホイールの読み方の鍵は、円の「中心から外周へ」という向きにあります。結論として、中心ほど大まかな分類、外周ほど具体的な言葉が並ぶ、と覚えておけば迷いません。

たとえば「フルーティ(fruity)」という大分類は中心側にあり、そこから外側へ進むと「柑橘(citrus)」、さらに外周で「レモン(lemon)」という具体的な果実名にたどり着きます。漠然と「フルーティ」と感じたところから、少しずつ言葉を細かくしていく流れです。各分類が外周でどんな言葉に展開するか、代表的な例を次の表に整理しました。

コーヒーの風味を8分類で示したcapra独自の簡易フレーバー分類図(概念図)
capra-coffee 簡易フレーバー分類図(概念図)。完全版はSCA公式フレーバーホイールを参照。
中心の大分類(目安) 中間の分類(例) 外周の具体語(例)
フルーティ 柑橘 / ベリー レモン / ブルーベリー
花のような フローラル ジャスミン / 紅茶のような
ナッツ・ココア ナッツ / カカオ アーモンド / チョコレート
甘い 砂糖類 / バニラ ブラウンシュガー / バニラ
スパイス ブラウンスパイス シナモン / クローブ
焙煎由来 ロースト スモーキー / 香ばしさ

※分類名・記述語は版や訳語により表記差があり、上記はあくまで読み方を示す目安です。完全な分類と全項目は、SCA公式のフレーバーホイールでご確認ください(リンクは記事末の「出典・参考」[S1]に記載)。なお、こうした風味の差は産地や品種によっても大きく変わります。豆ごとの個性についてはコーヒー豆の種類ごとの味の違いで整理しています。

フレーバーホイールの使い方は?SCA公式の8ステップで言葉にする

フレーバーホイールには、SCAが公開している使い方の手順があります。結論として、SCAの「8ステップ」に沿えば、感じた印象を中心から外周へと順番に言葉へ変換できます[S3]。

その流れは、まず一口飲んでおおまかな印象をつかみ、中心の大分類から徐々に外周の具体語へ絞り込んでいくというものです。手順の要旨を次の表にまとめました。なお、ステップの細かな表現は版や紹介元により差があるため、ここでは流れの目安として整理しています[S3]。

ステップ やること(要旨)
1 コーヒーを口に含み、まず全体の印象を感じ取る
2 ホイールの中心にある大きな分類のどれに近いかを選ぶ
3 選んだ分類から、外側の中間カテゴリへ目を移す
4 さらに外周の、より具体的な言葉へと絞り込む
5 当てはまる言葉を複数選んでよい(1つに限定しない)
6 迷ったらリファレンス(基準となる香り・食品)と照らし合わせる
7 色の濃淡など、ホイールが示す強さ・近さの情報も参考にする
8 選んだ言葉をメモし、別の豆と比べて語彙を育てる

※上記はSCA公式が示す手順の要旨です。正式な手順や注意点は、SCA公式の解説ページ[S3]をご確認ください。焙煎度によって出やすい風味の方向は変わるため、焙煎度ごとの味の違いも合わせて読むと、言葉と豆の対応が見えてきます。

初心者がフレーバーホイールを使うコツは?香りから大分類で十分

coffee aroma cupに関するイメージ写真
Photo by Dave Michuda on Unsplash (Dave Michuda)

初心者がホイールを使うときのコツは、いきなり外周の細かい言葉を狙わないことです。結論として、香りから入り、まずは中心の大分類で表せれば十分です。

まず香りに注目します。挽いた粉の香り、お湯を注いだ直後の香り、そしてすすったときに鼻へ抜ける風味、という順に意識を向けると、風味の手がかりがつかみやすくなります。次に、最初から「レモン」と言い当てようとせず、「フルーティ」「ナッツっぽい」といった中心の大分類でとらえれば十分です。慣れてきたら、実際のフルーツやナッツ、チョコレートなどを基準(リファレンス)として味の記憶を較正すると、言葉の精度が上がっていきます。

「酸味があるけれど、これは良い酸味なのか」と迷うこともあります。明るい酸味の表現に慣れたい方は酸味を活かすコーヒーの楽しみ方を、逆に酸味が強すぎて言葉にしづらいと感じる方は酸味の少ないコーヒー豆の選び方を参考にすると、自分の感覚と言葉が結びつきやすくなります。

フレーバーホイールでよくあるつまづきは?優劣を競う道具ではない

coffee aroma cupに関するイメージ写真
Photo by Joshua Michaels on Unsplash (Joshua Michaels)

ホイールを使い始めた人がつまずきやすいのが、「正解の言葉を当てなければいけない」という思い込みです。結論として、フレーバーホイールは風味を描写するための道具であり、優劣や正解を競うためのものではありません。

ホイールの目的は、人によってバラバラな感想を共通の言葉で伝え合えるようにすることにあります。ですから、あなたが「ベリーのよう」と感じたなら、それはあなたの妥当な評価です。他の人と表現が違っても問題はありません。同じ豆でも、感じ方や言葉の選び方には個人差があるからです。

大切なのは、自分の感じた風味を言葉にして、別の豆と比べられるようにしておくことです。当てずっぽうでも構わないので言葉を選び、少しずつ語彙を増やしていく。そうして使ううちに、自分の好みを人に伝えたり、次に買う豆を選んだりするときに役立つ「共通言語」が手に入ります。

まとめ:フレーバーホイールは中心から外周へ、気軽に言葉を育てる地図

フレーバーホイールは、コーヒーの風味を言葉にするための地図です。中心の大分類から外周の具体語へと絞っていくのが基本の読み方で、SCA公式の8ステップに沿えば、感じた印象を順番に言葉へ変換できます。

初心者のうちは、香りから入り、まずは「フルーティ」「ナッツっぽい」といった大分類で表せれば十分です。正解を当てる道具ではないので、気軽に言葉を選び、別の豆と比べながら少しずつ語彙を育てていきましょう。風味を言葉にできるようになると、自分の好みがはっきりし、豆選びの軸も定まっていきます。

さらに味わいの基礎や各論を深めたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

出典・参考

本記事の解説は、米国スペシャルティコーヒー協会(SCA)とワールドコーヒーリサーチ(WCR)の公式情報[S1][S2][S3]を一次ソースとして優先しています。分類名・記述語は版や訳語により表記差があるため「目安」とし、二次ソース[S4]は本文で「一般に〜とされる」と留保しています。

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