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コーヒーのカッピングを家庭でやる方法|道具と手順を初心者向けに解説

コーヒーのカッピングを家庭でやる方法|道具と手順を初心者向けに解説|アイキャッチ

「この豆とあの豆、どう違うんだろう」と思っても、淹れるたびに味がぶれて比べきれない。そんなときに役立つのが、条件をそろえて豆を公平に比べる「カッピング」という手法です。結論から言うと、カッピングは挽き方・お湯の量・温度・時間といった条件を固定するので、ドリップの腕に左右されず、豆そのものの違いがそのままカップに出ます。専門店の評価方法と聞くと身構えますが、家庭にある道具で十分に再現できます。この記事では、必要な道具、1ステップずつの手順、そして何を観察すればよいかまでを、表で整理して解説します。なお、酸味・苦味・コクといった味そのものの捉え方から学びたい方は、先にコーヒーの味わいの基礎(テイスティング入門)に目を通しておくと、カッピングがぐっと分かりやすくなります。

目次

コーヒーのカッピングとは?条件をそろえて豆を公平に比べる手法

条件をそろえて豆を比べるコーヒーのカッピング
Photo by Jo Lanta on Unsplash (Jo Lanta)

カッピングとは、挽き方・粉とお湯の量・湯温・時間といった条件をそろえ、複数の豆を同じ土俵で比べる味の評価方法です。結論として、淹れ方の上手・下手を排除して、豆の個性だけを浮かび上がらせる手法だと考えると分かりやすいです。

ドリップやエスプレッソでは、注ぎ方や圧力といった淹れ手の技術がカップの味に大きく影響します。一方カッピングは、粉にお湯を注いで一定時間置くだけなので、手順さえそろえれば誰がやっても近い条件になります。だからこそ、生産者や焙煎士は品質の確認や豆の選別にこの方法を使ってきました。

なお、コーヒーの品質評価の世界的な基準を整えている米国スペシャルティコーヒー協会(SCA)は、2024年にカッピングの評価方式を「Coffee Value Assessment(CVA)」へと刷新したとされています[S1]。家庭で楽しむうえで細かな採点ルールを覚える必要はありませんが、現行の考え方に沿って解説していきます。

家庭でのカッピングに必要なものは?特別な道具はほぼいらない

家庭でカッピングを始めるのに、専用の高価な道具はほとんど必要ありません。結論として、同じ形のカップを複数と、スプーン、お湯、挽きたての粉、そしてメモがあれば始められます。

ポイントは「同じ条件をそろえる」ことなので、カップは同じ大きさ・同じ形のものを豆の数だけ用意するのが要点です。あとは普段使いの道具で代用できます。最小構成の道具と、それぞれの役割を次の表に整理しました。

道具 役割 家庭での代用・ポイント
カップ・ボウル(複数) 豆ごとに粉とお湯を入れる器 同じ大きさ・同じ形でそろえる。マグや小鉢で代用可
スプーン 表面の香りを嗅ぎ、すすって評価する 普通のスプーンで代用可。深めの形だとすすりやすい
キッチンスケール 粉とお湯の量をそろえる 0.1g単位が理想だが、1g単位でも十分始められる
ケトル・温度計 お湯を沸かし温度をそろえる 沸騰後に少し冷ます。温度計が無ければ沸騰後30秒前後を目安に
挽きたての粉 比べる対象の豆 直前に挽く。挽き目は各カップでそろえる
メモ(紙・スマホ) 感じた特徴と強さを記録する 採点ではなく言葉と強弱を書き留めるのが目的

※スケールやケトルの精度は、慣れるまでは厳密でなくてかまいません。まずは「全部のカップを同じ条件にする」ことだけ意識すれば十分です。豆そのものの種類や産地ごとの個性については、コーヒー豆の種類ごとの味の違いで整理しています。

家庭でのカッピングの手順は?香り→注湯→ブレーク→評価の流れ

カッピングの手順は、香りを嗅ぐところから始まり、お湯を注いで一定時間置き、表面を崩して香りを確かめ、最後にすすって評価する、という流れで進みます。結論として、各カップで同じ手順・同じタイミングを守ることが何より大切です。

専門のプロトコルでは、粉とお湯の比率は約8.25gの粉に対して150mlのお湯(およそ1対18)が一つの目安とされます。ただし家庭では厳密な計測は必須ではなく、「全カップで同じ比率」にそろえる方が大切です。基本の流れを次の表にまとめました。数値はSCAが示す目安とされる値です。

手順 やること 目安(SCAの目安値)
1 挽いた粉の香りを嗅ぐ(ドライアロマ) 直前に挽き、各カップ同量に
2 お湯を注いで粉全体を浸す 約93℃のお湯[S2]・粉8.25g:湯150ml(≒1:18)が目安[S3]
3 表面にできた層(クラスト)の香りを嗅ぐ 注湯から約4分置く[S2]
4 スプーンで表面を崩して香りを立てる(ブレーク) 約4分後に崩す[S2]
5 浮いた泡やアク(カス)をすくい取る ブレーク直後
6 液体が飲みやすい温度まで冷めるのを待つ 約8〜10分で適温に[S2]
7 スプーンですすり、香り・酸味・甘み・口当たり・後味を確かめる 各カップを同じ順で評価

※温度・時間・比率はSCAが示す目安とされる値で、家庭では厳密な計測は不要です。「すする」ときに空気と一緒に勢いよく吸い込むと、風味が口と鼻に広がって感じ取りやすくなります。焙煎度によって出やすい香りや味の方向は変わるため、焙煎度ごとの味の違いも合わせて読むと、観察の手がかりが増えます。

カッピングで何を評価する?採点せず特徴を言葉にして記録する

カッピングでコーヒーの特徴を観察する

Photo by Pars Sahin on Unsplash (Pars Sahin)

カッピングで見るべきは、香り・酸味・甘み・口当たり・後味といった要素です。結論として、家庭では点数をつけることより、それぞれの特徴を言葉にして強さをメモすることを目的にすると、上達が早くなります。

現在のSCAの評価方式(CVAのDescriptive Assessment)は、品質に点数をつけるのではなく、「どんな香り・風味が、どのくらいの強さで感じられるか」を記述する考え方を採っているとされます[S1]。家庭での実践とも相性がよく、まずは次のような要素ごとに「感じた言葉」と「強い・弱い」をメモしていけば十分です。

  • 香り(fragrance/aroma):挽いた粉と、お湯を注いだあとの立ちのぼる香り
  • 風味・後味(flavor/aftertaste):口に含んだときの風味と、飲み込んだあとに残る余韻
  • 酸味(acidity):明るさ・爽やかさの質と強さ
  • 甘み(sweetness):感じられる甘さの印象
  • 口当たり(mouthfeel):軽い・重い、なめらか・ざらつくといった質感

「フルーティ」「ナッツのよう」といった言葉が出てこないときは、フレーバーホイールの読み方と使い方を手引きにすると、感じた風味を言葉に置き換えやすくなります。なお、かつてのSCAでは100点満点で採点する方式(2004年のカッピングフォーム)が広く使われていましたが、これは2024年の新方式へと置き換えられたとされます[S1]。家庭では点数より、特徴を言葉と強弱で残すことを優先しましょう。

感じた風味を言葉に置き換える手引きが欲しい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

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上達のコツは?複数の豆を並べてブラインドで比べる

複数の豆を並べて比べる家庭のカッピング
Photo by Mae Mu on Unsplash (Mae Mu)

カッピングが一番上達するのは、1種類ずつではなく複数の豆を同時に並べて比べたときです。結論として、2〜3種類を横並びにすると、1杯だけでは気づけない違いがくっきりと見えてきます。

おすすめの進め方として、まずはどのカップがどの豆か分からないようにする「ブラインド」で試すと、思い込みに左右されずに評価できます。感じた特徴はその場でメモし、温度が下がる過程で香りや味の印象が変わるため、同じカップを数回に分けてすするのもコツです。慣れてきたら、産地の違う豆を並べると差が分かりやすく、単一産地の個性を味わうシングルオリジンの基礎で取り上げる産地ごとの個性も体感しやすくなります。

最初から正確に言い当てる必要はありません。完璧を求めず、「こっちのほうが酸味が明るい」「こっちは後味が長い」といった比較の言葉から始めれば十分です。回数を重ねるほど、自分の好みと豆選びの軸がはっきりしていきます。

まとめ:カッピングは条件をそろえ、言葉にして豆を比べる

カッピングは、挽き方・お湯の量・温度・時間といった条件をそろえて、豆を公平に比べる手法です。家庭にある同じ形のカップとスプーン、スケール、メモがあれば始められ、香りを嗅ぎ、お湯を注ぎ、約4分で表面を崩し、冷めたらすする、という流れで進みます。

家庭では点数をつけることより、感じた特徴を言葉にして強弱をメモすることを目的にしましょう。複数の豆をブラインドで並べて比べると、違いがはっきりと見えてきます。完璧を求めず、比較の言葉を少しずつ増やしていけば、自分の好みと豆選びの軸が定まっていきます。

さらに味わいの基礎や語彙、各論を深めたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

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出典・参考

本記事の手順・評価方法の解説は、米国スペシャルティコーヒー協会(SCA)の公式情報[S1][S2][S3]を一次ソースとして優先しています。数値(温度・時間・比率)は「SCAの目安」とし、二次ソースは本文で「一般に〜とされる」と留保しています。

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